田んぼで拾った小犬は、成長しなかった
今から15年前ぐらいに、家の近くを歩いていた時です。
田んぼが広がるエリアに、大きな野良犬が寝ていました。
背後から近づくと、小さな真っ黒な子犬もいます。
大きな犬は、逃げて行き子犬は隠れて怖がっていました。
少し様子を見ようと、その場に座る事にする私。
子犬は、人間が怖い感じで私を見て固まっています。
両手を広げてみても、子犬は心を開かずビクビクしている感じです。
時間にして10分ぐらい経った頃、子犬は私を怖がらなくなり少し心を開きました。
ゆっくりと近づき、子犬を捕まえると大人しいです。
子犬を家に連れて帰り、牛乳を挙げると美味しそうに飲みました。
その夜、子犬を部屋に置いて一緒に過ごす事にした私。
名前は、「ジョン」と名付けて呼ぶと反応します。
しかし、子犬はよく見るとオスでしたが、尻尾は小さく丸まっています。
性格は臆病で、一人にすると寂しく不安な様子でした。
私の背中を見て、後に付いて来る感じの子犬です。
母親が帰って来ると、ジョンを拾った事を伝え我が家で飼う事になりました。
それから、家族4人とジョンとの生活が始まり楽しくなります。
ジョンは、庭で飼う事になりますが、おかしな事に1年経っても体の成長がありません。
食事を食べても、一向に大きくならず拾った時と変わらない状態です。
2年、3年と経過しましたが、体は成長しなく子犬のままでした。
柴犬の部類と思われる犬なのに、不思議な感じです。
また、尻尾も小さく成長なく丸まっている状態は変わりません。
おまけに、私や家族以外は、人に慣れず他人と会うと怖がるそぶりもあります。
心を開くのは、私の家族だけでジョンはやっぱり臆病な性格は変わらないようです。
しかし、ジョンは、私によくなついて心配をしてくれるやさしい犬です。
咳をすれば、すぐに顔を見て反応を見てくれるのでうれしいです。
ジョンを連れて、散歩から車で遠出など家族の一員として癒しを与えてくれました。
拾ってから12年後のある日、庭にいたジョンは散歩に連れて行こうとしたら動きません。
様子を見ると、衰弱している感じでした。
病院へ連れて行くと、老衰と言われ後数日で死ぬと伝えられます。
ジョンは、3日後庭で死んでしまいショックの私。
それから2週間ぐらい寂しく感じていましたが、出会いに感謝して元気になりました。