子育ても一息ついて私に時間ができ始めると、今まで忙しく生活していたので、手持ちぶさたを感じるようになり犬を飼いたくなりました。
主人に相談し、飼ったことがないので犬を選ぶ時、漫画で見たコーギーが可愛かったので、それなら飼ってもいいよと言われ、早速ペットショップへ行きました。
ショップに行くと、店長さんが人混み疲れで、体調を崩して裏で休んでいるコーギーがいるけれど、見てみますかと言われその子を抱かせてもらいました。
大きな瞳にピンと立った耳、ウサギみたいな体型が可愛いと思いました。
主人は気弱そうに見えたのですが、店長さんによると噛み癖が強く、お客さんにも抱っこしてもらうのを控えていたそうです。
性格もかなり勝気で飼うのが大変かもしれないと言われたのですが、主人がこの子が何だかよさそうと言って飼うことにしました。
家に迎えてからは、コーギーのいたずらは激しい一面もあるとコーギーの飼育本にも書いてあり覚悟はしていました。
家のものを噛んで破壊し、叱ると怒って威嚇し手を噛んで来ます。
今まで犬を飼って来た私もこの性格の激しさには手こずって、主人は犬を飼った経験がないので、こんなに人に歯向かうとは思っていませんでした。
しかし、飼ったからには面倒を見ないと駄目だと言い、毎日の散歩は私が2時間たっぷりして、夕方は主人が軽めにしていました。
人間の子供も昼間の遊びが足りないと夜がうるさく眠れなくて困った経験から、犬も十分運動させていればストレスが減り昼間、人が家の前を通っても無視して寝ています。
勝気な性格も3才になると急に落ち着き、ほとんど無駄に吠えなくなって、人に対し攻撃も全くなくなり、優しい性格になりました。
家族以外の人にも甘える素振りを見せるようにもなって、やっと落ち着いたなと主人と話ました。
性格が穏やかになると、近所の人からおやつや果物、時には焼きいもを貰っていました。
貰っていた食べ物の中で焼きいもが一番好物でした。
冬になると私の実家からさつま芋が届くので、それをオーブントースターで焼いて食べるのですが、芋が焼ける匂いがし始めると、玄関の戸に体をぐっと押し付けて貰うのを待っています。
待っている間、吠えると私にうるさいと怒られるのでシルエットでアピールします。その姿が可愛くて何とも言えません。犬は芋好きと言いますが、こんなに好きとは思っていませんでした。
焼きいも売りの軽トラックが、時々病院通りの道路で販売をしているので、そこで焼き芋を買って皮だけコーギーの「ぽんちゃん」にあげました。
この時の旨さが忘れられないのか、次の年から遠くから焼きいものトラックが「焼きいもー」という宣伝が聞こえると、家の前でワオーンと遠吠えするようになりました。
私も焼きいもは好きだし、ぽんちゃんと一緒に食べたいから家の前を通る時には、1本焼きいもを買って玄関前で半分個にして食べた思い出があります。
ぽんちゃんは炭水化物は米よりもやっぱり焼きいもが好きという感じでした。
それから14年半コーギーのぽんちゃんと暮らしたのですが、老衰で12月の末亡くなりました。
亡くなる2か月前にも母から貰った蒸かし芋を食べさせられたのがよかったかなと思います。